HELLO WORLDの考察

f:id:naga_zenonzard:20190920172334j:plainかなり久しぶりの記事の更新ですが、今回は大ヒット公開中の映画「HELLO WORLD」の考察記事を書こうと思います。

割と内容がゴチャゴチャしていて、1度見ただけでは、理解できなかった方も多いと思います。

しかし、この記事を読めばHELLO WORLDの全てを理解する事ができると思います!(あくまで個人の考察です。)


*ここから先はネタバレを含みます。




まず、皆さんがHELLO WORLDを見て疑問に思うと思われる部分を上げます。


1、なぜ10年後の世界(2037年)に狐面(自動修復システム)が出てきたのか?


2、カラスの正体は誰?


3、なぜ、最後のシーンで直実が脳死になっていたのか。


4、最後の宇宙のシーンが意味する事とは?


では、1つずつ疑問を解決していきましょう。


1つ目の疑問、なぜ2037年に狐面が出てきたのか。


これの答えはシンプルで、映画の中でも直実が言っていたように、映画で描かれていた2037年の世界もデータ世界だったからです。

つまり、データ世界の直美が2027年のデータ世界に行っていた。という事になりますね。


2つ目の疑問カラスの正体。 


コレもシンプルで、カラスの正体は、作中で最新の世界(2037年以降)

の一行瑠璃がアルタラにログインするために使っていたアバターです。


3つ目の疑問。なぜ直実が脳死になっていたのか。


コレが、作中最大の疑問点だと思います。

この疑問を解決するために、思い出して欲しいのが、アルタラのデータ世界は現実世界の「複写」であるということ。

つまり、作中で描かれた、2つのデータ世界は、現実(作中では描かれていない)でも実際に起きた事という意味です。


ただし、現実世界で2037年の直実が瑠璃を救うためにデータ世界に入って、瑠璃の記憶を奪っても、現実世界はデータ世界からの干渉は受けません。

当たり前の話ですが、コレはかなり重要です。

作中で2027年の瑠璃のデータを奪って2037年に持っていって、狐面が現れたのは両方の世界がデータ世界だったからなのです。

この内容はしっかり理解して次に進んでください。


ここから本題に入ります。

まず、ラストで直実が瑠璃に脳死から助けてもらった世界が現実世界なんです!(理由は後ほど)

つまり、最新の世界ということになります。


そして、直実が脳死になっていたのは、2037年以降に直実が何らかの理由(小説を読めばわかりますが、瑠璃を助けるためと考えられます。)で脳死になっていたためと考えられます。


作中では描かれていないのになぜそう考えたのかというと、

アルタラ世界は現実の複写であるため、祭りで直実が瑠璃をかばった世界線というのはありえない。

(アルタラが完全開放されたので、ありえる。という意見もあると思いますが、カラスのアバターで瑠璃がアルタラにログインしていたということは、アルタラを開放する前から「存在していた世界」という事になるので、そう考えると矛盾が生まれます。)


ここまでの内容をまとめると次のようになります。


1、2027年、瑠璃が脳死になる。

2、2037年、瑠璃が脳死から生き返る。

3、20??、瑠璃をかばい直実が脳死になる。

4、映画のラスト直実が脳死から生き返る。


ここで、映画のラストが現実世界である事が明らかになります。

理由は、ラストのシーンがアルタラのデータ世界だと仮定すると、狐面が出てきて、重複したデータである直美を消しに来るはずだからです。

でも、現実世界なら、データ世界から干渉を受ける事はありません。(2回目)


コレで、納得してもらえたでしょうか。

つまり、この映画のメインは瑠璃を救うためにデータ世界に行くという話では、なく、実は直実を救うために瑠璃がデータ世界に行くという話だったということです!


4つ目の疑問。最後の宇宙のシーンが意味する事とは。


これの答えは小説を読めば分かりますが、小説でも映画と同様に直美が脳死から生き返ってエンドを迎えます。

その時の直実の心情で、「何年たっているのかわからない。だが、何年だろうと、些細なことだった。」

と書かれています。

つまり、最後の宇宙のシーンが意味することは、「大きな時間の経過」

ということになります。

その象徴として、あのシーンを描いたのでしょうね。

現実世界の2037年に直実がアルタラ世界から、瑠璃のデータを持ってきたのは、完全に独断だったので、他の研究者達はその方法を調べるのにかなりの時間を必要としたのでしょうね。


最後に、僕が思ったことなのですが、アルタラの完全開放により2027年の直美は、完全に独立した世界(まだ誰も知らない世界)で暮らしていくことになるのですが、これは、現実世界の瑠璃が直実を助ける以外の目的。つまり2つ目の目的にしていたことではないのか。と思いました。


どういうことかというと、データ世界のアルタラを開放すれば他のデータは世界は独立し、ある意味では現実の世界とも言えるようになるわけです。

そうなると、現実では実現することができなかった、直実と瑠璃が幸せな高校生活を送る世界ができるわけです。 

アルタラを開放したのは、千古ですが、瑠璃も直美を助けるために千古と共に研究していたはずなので、そこまで予測していたのかも知れません。

(そう考えると、2037年の世界から2027年の世界に直実と瑠璃を返す理由になります。

現実世界の瑠璃の一番の目的は、2037年の瑠璃を助けた後の直実の記憶を回収することなので。)


小説を読めば分かりますが、現実世界で直実を脳死から救うためには(器と中身を同調させるためには)、大切な人を守るために動いた直実が必要だったんです。

この部分から、直実が脳死になったのは、大切な人を守るため。つまり、瑠璃を守るため。だと考えることができます。

映画内で直実が守ったのは、高校生のナオミでしたが、大切な人を守るという気持ちに変わりはないので、問題ないでしょう。



以上でHELLO WORLDの考察を終わります。


この記事でHELLO WORLDを理解することができましたら、嬉しいです。


他にも疑問点があれば、コメントをしてもらえれば、返信します!